事例12・アドバンテージ住宅市場開拓による街並保全/齊藤英典
鎌倉市長谷二丁目における自主まちづくり協定の運用
-街づくりにおける不動産というパートの重要性-
平成15年6月 アース・デザイン 齊藤英典
  • 街づくり協定策定の経緯
    • 本協定の策定は平成9年、低層住宅市外への高層建物混入によって着手された。
    • 住民が重ねた勉強会の中で問題の本質は、低層住宅市街地への第一種住居地域の用途指定であると判断したためである。
    • 協議回数44回、協議期間一年半を経て、70世帯中85%程度の合意により協定は策定された。
    • そして平成11年2月以降、本協定の策定主体でもある長谷二丁目街づくり協議会(以下「協議会」という。)が運営母体となって街づくり協定の運用が開始された。

  • 規制誘導方策の選択理由
    • 当初より本協定は地区計画を目標としている。また、建築協定という選択肢もあったかもしれない。しかし以下の理由により当地区は任意の(法に基づかない)街づくり協定(鎌倉市の呼称は自主まちづくり計画)を選択した。
      1. 建築協定は穴抜けや空地に適用出来ない・紛争当事者が民間等の致命的な弱点がある。
      2. 当時は地区計画の提案権が市民に与えられておらず、民意の反映に不安があった。
      3. 市民サイドも法律として定めるまでに核心的な数値設定は出来ないと判断した。

  • 運用状況と問題
    • 当初の予想通り、協議会による氏名公表という事業者への対処方策は効果をあげている。
    • 協定策定着手から6年が経過、20件弱の建設事業が地区内では行われているが、大きな協定違反建築は一つもない。
    • しかしながら昨年、協定区域内の宅地を購入した不動産業者が協定内容を告知せずに5分割して売却、購入者と協議会が調整に延べ25回もの協議を行うという事態が発生した。
    • この問題の本質は協定の存在を知らずに購入者が宅地を購入できるシステムにある。
    • つまり同様のケースは民間の建築確認審査機関によって建築確認がなされた場合にも起こりうる問題である。

  • 問題への対応
    • こうした問題に対応すべく、協議会では以下の不動産売却システムを推奨している。
    • このシステムはまだ提案から時間も浅く、目に見えた効果をあげているとは言えないものの、将来的に確立することで任意の協定の効力を補完するものと考えている。
    • また特に大規模な敷地売却には後段のような問題もあるので売却社にも利益がある。

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