総括:アース・デザイン齊藤
2004年はオリンピックイヤーである。そんなこともあり弊社では今回の成功事例をオリンピックレコードと呼んでいる。
勿論冗談も含めての呼称ではあるが、しかしそれにしてももしかすると二度と実現が出来ないほどの上手な買い物であったかもしれない。
そんなことをいっていても仕方がない。総括しなければならないことは、「なぜそんなことが実現できたのか!」である。
当然のことながらこの成功はいくつもの要因によって構成されているのである。
第一に本件宅地は国有地を購入できたものであるという点である。
国有地が市場に出る場合にはいくつかのケースがあるが、本件の場合には納税の対価として国に納められた土地であり、当時の評価は8000万円程度であったと記憶している。
そんな評価の土地が2700万円・・にも係わらず半年程度市場に売れ残っていた。
これこそが国有地の特性なのである。
第二に上記法令制限の項目に記述されていた、「本件土地の前面道路は建築基準法上の道路ではないためこのままでは建物の建築をすることは出来ない」の記述である。
記述には「建てられない」とは書いてあるが、「どうすれば良いか」は書いていない。
ノウハウがなければとても買う気がしない。
そしてこの段階でKuさんの行動力がものをいう。Kuさんは仕事の合間を縫って、自身が役所の窓口に何度も足を運び、「個人住宅ならば条件付きだが建築できる」という感触をつかみ取った。
余談だが、「・・建築することが出来ない」には、本当に一切建築することが出来ない土地も含まれていたりするので個人購入の場合には注意が必要である。
第三に崖の対処があげられる。
現地は実際見事な崖を背負っている。これは悪い意味ではなく、旧来の鎌倉で武家や上級官僚が山際から住み着いた名残を組む、大変に鎌倉らしい風情を残す景観という意味である。
しかし近代の行政手続きにそんな情緒的な主張が通用するわけもなく、この崖も一定の指導を受ける。
これに対し、アース・デザインでは連携する複数の建築家から適切なアドバイスを取得して対応について支援した。
崖の表面流土を算定、Hi建築士が行政との折衝を行い建築許可(確認ではなく許可扱い)を受領したのである。
第四にKuさんの素早い判断も重要であった。
実はアース・デザインの住まいづくりでは土地の購入決定に先立って建築担当を決めてもらうことが通例となっている。
しかし本件に限っては他の業者が購入に動いている情報があり、その手続きを時間が許さなかった。
当然、齊藤の立場からは「万全でない以上見送り」を推奨したが、その翌日、「やはり購入したい」というKuさんの判断によって土地をおさえることが出来た。
- 建築することが出来ず(・・と書いてあり)
- 崖の手続きはやってみないと分からず
- 建築担当が未決定である以上どんな建物が建てられるのかも分からない
・・そんな状況での判断であった。
これも弊社が「まねの出来ない」と定義づける大きな要因なのである。
その後、Kuさんは5名を超える建築家との面談を、忙しい海外出張の合間を縫ってこなし、スケジュールに追いつく形で設計者を決定した。
お買い得物件はそこに転がっているのではなく、自身の努力で作り出してゆくものという好例ではないだろうか。
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